ステロイドをぬれば落ち着く、でもやめれば再発する。この無限ループにいやけがさしていませんか。実は、アトピーは皮膚の問題ではなく身体の排泄機能と免疫システムのバグなのです。
現代医学的原因とは
まず現代医学的にアトピー性皮膚炎の原因をみてみましょう。
1,皮膚バリア機能の低下(乾燥肌)
2,免疫システムの暴走
3,かゆみスパイラル
これらが原因と考えられています。
皮膚および体内で炎症が起こっているので、それを抑えるために副腎皮質ステロイドを使います。
起こった炎症を抑え、その間に皮膚が正常になることを期待している、というのが現代医学のアトピー性皮膚炎の治療となります。

東洋医学からみると
対して、漢方東洋医学の考えをみてみましょう。
漢方東洋医学では、「肺主皮毛(はいは、ひもうをつかさどる)」といわれています。陰陽五行論では、皮毛は肺・大腸と関係があります。肺は呼吸と共にガス交換(酸素と二酸化炭素)と熱交換を行い、大腸は排泄を行う器官です。呼吸が浅かったり、便通の悪さがあるとそれらは皮毛に現れます。
便秘が続くとお肌が荒れる、という経験をされている方も多いはずです。
呼吸と排泄が大切だということです。

免疫システムから
つぎに免疫システムから考察してみましょう。
口呼吸のわな
口呼吸をすると、睡眠中にのどの返答濾胞のマイクロフォールド(またはメンブラーメス)細胞、略してM細胞からどんどん好気性菌が入ってきます。するとM細胞の濾胞の中で白血球がこの好気性菌を消化して分泌型のイムノグロブリン(免疫タンパク質)を作ります。これを涙と唾液と鼻の中に分泌して、新たに入ってくるばい菌を消化します。哺乳動物の腸管には、ばい菌を捕まえて、これを消化しない限り免疫タンパク質は作ることができません。つまりばい菌を体の中に取り込む装置があるのです。これが扁桃組織で、小腸ではパイエル板とよばれ、のどや鼻ではアデノイドまたは扁桃腺と呼ばれているのです。ところが「、絶えず口呼吸で睡眠をとっていると、まず涙が涸れて、鼻水が涸れて、唾液が涸れて、その結果
排泄される場のなくなったイムノグロブリンAがM細胞の濾胞の中でばい菌と反応します。つまり抗原抗体反応を起こすわけです。イムノグロブリンAというのは抗体ですから、反応を起こしたのに外に排泄されないとどうなるかというと濾胞のリンパ液を通って血液の中に吸収され、それが血液をめぐり全身に回っていきます。やがて細胞内のミトコンドリアにダメージを与えてしまいます。その結果ミトコンドリアの働きがストップしますので、細胞の活動ができなくなります。そうして様々な障害を起こすのです。
また、冷たい飲食物で腸が冷えると腸のパイエル板から空気の嫌いな腸内細菌が白血球内に入って、これが血中をめぐり、体中の細胞にばい菌をばらまきます。空気の嫌いな腸内細菌とはたとえば、大腸菌などの常在性腸内細菌です。細胞に大腸菌が入り込むと、ブドウ糖がピルビン酸になるときの解糖系が阻害され、細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアの栄養が横取りされてしまいます。これによってミトコンドリアの細胞内呼吸の働きが障害されます。この結果、ミトコンドリアではエネルギー物質のATPが賛成できなくなり同時に細胞はすべての活動が低下するので、その器官のはたらきがだめになります。そうすると、ミトコンドリアのミネラル・糖・アミノ酸・脂質の代謝が低下。結果、体全体のレベルでむくみ、慢性疲労、体がつねにだるいということが起きてくるのです。
また特殊に分化した細胞の特殊機能はすべてこの細胞小器官のミトコンドリアが担っています。特殊機能とは、その細胞でなければできない物質の分泌や代謝などです。ですから重要な器官をつくっている細胞のミトコンドリアに機能障害が起これば、その細胞で成り立つ臓器などの働きがだめになります。たとえば、肌細胞で起これば、フィラグリン蛋白が生成されない、ということが起こります。
この事実を逆から考えると、体を冷やすといったエネルギー代謝の問題にあることがわかってきます。となれば非常に単純なことで起こっている事実がわかります。ということは単純なことでなおすことができるということになるのです。
漢方東洋医学における、肺・大腸の視点からアトピー性皮膚炎を考察してみました。
日ごろの生活における見直すべき点がみえてきましたでしょうか。

今日からできる、3つの「心身リセット」
原因が「毎日の習慣」にあるのなら、解決法も実はとてもシンプルです。まずは、できることから少しずつ始めてみませんか?
- 「鼻呼吸」にリセットする おしゃぶりを使う。日本では、歯並びが悪くなるなど欠点のみに注目されがちですが、口呼吸を鼻呼吸に矯正するという大切な利点が忘れられています。大人の場合は、お口にテープを貼って寝たり、「あいうべ体操」でお口周りの筋肉を鍛えるのが効果的です。鼻というフィルターを通すことで、免疫システムを正常に戻してあげましょう。
- 腸を「温かいお守り」で包む 冷たい飲み物を少し控えて、体温以上の温かいものを選ぶ。たったこれだけで、腸のミトコンドリアは活動しやすくなります。
- お風呂の時間を「癒やしの時間」に 湯船に浸かることは、心の緊張をほぐし、水圧で血液の巡りを助けてくれます。 ※かゆみが強いときは無理をせず、ぬるめの温度にしたり、お腹を温めるだけでも十分ですよ。

最後に
アトピーの改善は、頑張りすぎないことが大切です。「お肌を治さなきゃ」と自分を追い詰めるのではなく、**「自分の体をいたわってあげよう」**という気持ちで、細胞に栄養と休息を届けてあげてください。
あなたの本来持っている「健やかになろうとする力」を、一緒に信じてみませんか?
これは情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。
